12月5日(火)15:45~16:30(45min)
基調講演:インクルーシブに創る次世代サイバーインフラの研究開発
サイバー世界を根幹から支える次世代サイバーインフラは、5Gから6Gへの進化、 特にNTN(非地上系ネットワーク)やAPN(オール光ネットワーク)などの情報通信における革新と共に飛躍的な発展を遂げつつある。サイバーインフラが様々な社会サービスの根幹を支えているようになっていることから、ミッションクリティカル、つまり、企業や組織の活動の維持、および、人間の生命の維持などに影響がないこと、を保証するライフラインとしての付加価値が求められている。そのためには、社会課題の正確な把握と、それを解決する適切な技術開発・応用が必要であり、全てのステークホルダーを巻き込む多様な個を許容する包摂性(インクルーシブネス)を前提とした研究開発が必須である。
本講演では、次世代サイバーインフラはインクルーシブに創る(みんなでつくる)ことの重要性を、ローカル5G/ローカル6Gなどの民主化、OpenRANなどのオープン化、ソフトウェア化の動向などから紐解き、同志国連携·政府間による技術·制度の方向性のシナジーの形成 、先進的な電波利用制度の国際発信·パートナー形成、 先進的ユーザーの早期取り込み、異分野連携のサイバーインフラ整備による国力の増強、そして、人材育成(Work Force Development)が必要であることを議論する。
中尾 彰宏 / Akihiro Nakao
東京大学大学院 教授
1991年東京大学理学部1994年同大学院修士課程修了。IBMテキサスオースチン研究所、東京基礎研究所などを経て、プリンストン大学大学院コンピュータサイエンス学科にて修士・博士学位取得。2005年、東京大学大学院情報学環 助教授に就任。2014年2月 同教授に就任。2014年第5世代移動通信推進フォーラム(5GMF)ネットワーク委員長兼任。2016年学際情報学専攻長兼任。2019年より情報学環副学環長、東京大学総長補佐兼任。2020年より東京大学総長特任補佐兼任。同年7月よりスペースICT推進フォーラム 5G/Beyond 5G 連携技術分科会 主査、同年12月よりBeyond 5G推進コンソーシアム国際委員会委員長を兼任。
2021年4月より東京大学工学系研究科に異動(現職)、東京大学次世代サイバーインフラ連携研究機構 機構長を兼任。2023年4月より、システム創成学科工学部システムイノベーション学科長に就任。次期(2024年度)電子情報通信学会通信ソサイエティ会長2024年の電子情報通信学会通信ソサイエティ会長に選出される。専門は情報通信。5G/Beyond5G/IoTに関する複数の産学連携プロジェクトのリーダーを務める。
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